Re:グリーン・ラソ 即日コンペ「地域に開かれた縁側」に審査員として参加して
NPO法人絆が、総合ボランティアセンターなないろと隣接している町の建物を使って、飲食もできる居場所「地域の縁側 グリーン・ラソ」を自由な発想で運営しています。このグリーン・ラソには、屋外スペースがあるのですが、室内と屋外のつながりが良くないせいか、中の利用者が憩ったり賑わったりする場所にはなっていません。ここを居心地の良い場所にしようとNPOのメンバー、建築士、役場職員など有志の面々が考えたのが、建築を学ぶ学生によるデザインコンペ。選ばれた作品は、後日、発案者も含めてみんなでワークショップを開いて現地で製作します。
設計テーマは、
①居心地の良い、惹きつけるデザインの縁側であること。多世代の多様な人が座れて、交流が生まれる工夫をすること。
②木製とし、地域の方とのワークショップで制作できること。屋外での仕様を考慮すること。(仕上げ材は木に限らず自由に設定可能)
③一部は移動でき、イベント時などに応用して使用できること。可動部分は持ち運びや収納のしやすさを考慮すること。
④内と外の中間領域のあり方を提案するデザインであること。室内の活動が屋外へ滲みだし、人を室内に導く工夫をすること。
の4つ。それから、15万円程度の予算で製作できることが条件です。
即日コンペには、名城大学、椙山女学園大学、愛知淑徳大学、日本福祉大学、金城学院大学から10組24人が応募。グリーン・ラソの向かいにある緒川児童館を作業場にして、各組とも直前まで案を練っていました。
コンペの審査員として私も参加させていただきました。さすが、プロを目指す建築学科の学生の皆さんだけあって、どの案もよく考えてあります。質問をしても答えに思索の跡が感じられました。
地域の方の人気投票も一次審査で加点対象になりましたが、人気のあった外部に大きな庇を掛ける案は二次審査の対象にはなりませんでした。
最優秀に選ばれたのは、「はにかみ縁側」と銘打った、六角形の高さを変えて重ね合わせることができる椅子 兼 机 兼 ステージになる可動式の箱をたくさん作って建物の内と外を視覚的にも機能的にもつなげようとする試み。ほかに、優秀賞1作品、審査員特別賞2作品が入賞しました。以下に受賞作品を紹介します。
最優秀賞・・・・グループ2「はにかみ縁側」
優秀賞・・・・・グループ9「ろっかく」
審査員特別賞・・グループ1「イロトリドリ」、グループ6「よせあい」
福祉的な居場所をつくるにも、公園や道路などの公共施設をつくるにも、楽しく、居心地が良く、魅力を感じる場所にするにはデザインの力が欠かせません。ワークショップなどで地元の人のアイディアを募ることはこれまでもありましたが、町外の建築を学んだ人たちからデザインのアイディアを募ったのははじめてです。デザインの力、町外の力をもっと生かせたらと改めて感じました。
今日はクリエイティブな雰囲気に触れることができて、すごく楽しかったです。デザインマインドのある方も、町外の方も、いろんな方たちに東浦のまちづくりに関わって欲しいと思います。
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