9月定例議会の経済建設委員会がありました。
9月定例議会が開催中です。きょうは、経済建設委員会が開かれました。質疑のメインは令和3年度一般会計決算の認定についてです。
議員さんの中には、データー・数値で質問を展開される方もいます。それらの中で印象に残っているものとして、町が支援している地域猫活動の成果について、町運行バス「う・ら・ら」の事業評価を例にとって事業の成果をどう分析評価するかについて、質問がありました。
[ 地域猫活動の成果 ]
地域猫活動の成果については、ひとつは、猫の糞害などの苦情が地域猫活動の活発化とともに減少に転じてくるかどうかという視点がありますが、これについては感覚的な要素も入ってくると思います。もう一つは、猫の死体処理件数(住民から通報があって路上の動物の死骸を回収する業務の件数)が考えられます。野良猫の数が減れば猫の死体処理件数が減ることが推測されるからです。委員会でも議員から、猫の死体処理件数の推移を訊ねる質問がありました。
過去の統計を見ると、確かに猫の死体処理件数が減っています。なおかつ、動物の死体処理件数全体は令和2年度まで増加傾向にあることから、猫の死体処理件数(多くは交通事故)が特に減っていると言えそうです。とは言え、交通事故に遭った猫の件数から、野良猫が減っていると断言できるのか、それと、地域猫活動の活発化(例えば不妊手術件数)と相関はあるかなど、そのあたりを精査しないと軽々に結論づけるのは危険かも知れません。
いずれにしても、根拠もなしに闇雲に事業を拡大・継続・縮小・廃止の評価はできないし、事業を改善することもできません。行政は元データは持っているのだから、そこから根拠のある指針を導き出すことがあるべき仕事の姿だと思います。それを目指して、できそうなもの、取り上げやすいものから、データ分析的な仕事を実践することが大切だと思います。
[ 町運行バス「う・ら・ら」の評価 ]
近年、町運行バス「う・ら・ら」の経費の増大が著しいとの指摘もいただいきました。「う・ら・ら」は、平成13年(2001年)に1路線、バス1台からスタートし、2002年に2路線、バス2台体制に、2004年に2路線、バス3台体制に、2008年に刈谷乗り入れ、バス4台体制となりました。自分も「う・ら・ら」運行立ち上げ時に、町議会議員として少なからず関わりました。その後、路線とダイヤが順次見直され、現在では、5路線、車両6台体制となっています。
自分が当時、平成19年度(2007年度)の県内のコミュニティバスの運行状況を調べて作った表があります。それと同じ表を作成して令和3年度(2021年度)の県内の運行状況と比較してみました。これらの表は、年間利用者10万人以上の県内自治体のコミュニティバスを抽出して比較したものです。2007年当時はまだバス3台体制でしたが、う・ら・らの利用は県内市町の中でも上位の22万4千人余り。運行経費は県内最低、運行収入も比較的多いため経営状態は県内トップ。人口当りの利用者も日進市についで2位、全住民が年間平均4.6回乗っている計算でした。
それから16年間、「う・ら・ら」の利用者は徐々には増えましたが、コロナ禍での落ち込みもあって、令和3年度(2021年度)の運行実績は、年間利用者数22万2千人余り、県内で11位です。人口当り利用者数は4.5と県内上位をキープしています。(ここで飛島村の人口当たり利用者が特異的に多いのは、臨海部への村外の通勤者が専ら利用している特殊事情によります。)
しかしながら、利用者が伸びない中で「う・ら・ら」の運行コストは大幅に上昇しています。これは、運行初期とは違ってコストを掛けた分だけ利用者は増えないことと、バス運行の人件費や労働基準や安全上のルール強化でバスの運行経費が大きく増大したことに起因しています。
だからといって、コストのみで、公共交通の是非を論じるのは早計です。日本の都市圏の人口密度は非常に高いため、公共交通は黒字が当たり前の独自の「常識」がありますが、海外では公共交通の赤字を公金が支えるのが常識です。万人の移動手段を確保するため、街の賑わいや発展のため、環境を守るため、交通渋滞や交通事故を減らすため、健康な生活を送るため、公共交通は欠くことができません。では、何をどこまで? そこは議論が必要です。
議員から指摘があったのは、「利用者数など成果の目標設定をするときに、それぞれの対策と目標を結びつけて、対策Aで何人めざす、対策Bで何人めざす、それを積み上げて、もっと根拠のある目標設定をすべきなんだ。そうすれば結果を見て、どこをどれだけ改善してみようという議論ができる。それが『計画』なんだ。」ということではなかったのか。質問を聞いていて自分はそんな風に解釈をしました。
[ 於大公園の再整備工事 ]
於大公園のプールを解体し駐車場用地を造成する、於大公園再整備工事請負契約の締結についての議案では、「駐車場の拡張は良いが、町内外から評価されている於大公園の設計思想や景観を尊重した駐車場整備とし、園路と駐車場の間に木立を配するなどの配慮をすべき」との指摘がありました。これについては全く同感で、行政としても当時の設計者のアドバイスをいただいて、必要な駐車台数を確保しつつ土盛りや植栽についてできる限り配慮したいと考えています。
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