国際芸術祭あいち2022 一宮会場を巡ってきました。
7月末の内覧会で主会場の愛知芸術文化センターは行きましたが、他の会場はまだ。いつの間にかに、最終日の10月10日までもう1か月を切ってしまいました。今日はトリエンナーレの一宮会場に行ってきました。
愛知県に住んでいても、名古屋を通り越して尾張一宮で電車を降りるのは、何年ぶりでしょうか。駅前からまず市役所へ向かいます。古くからものづくりがされてきた愛知県の中でも、毛織物の産地として有名な一宮。1階の玄関ホールに羊毛を撚ったインスタレーションがあります。そして、市役所の隣の公衆トイレには壁画、大正時代に建てられた旧名古屋銀行一宮支店を多目的ホールに改装したオリナス一宮には奈良美智の作品が収まっています。
一宮の地名の由来となった真清田神社の隣の旧市立中央看護専門学校と今年閉鎖した一宮市スケート場の施設を使った作品展示、それからアーケード街を南下して豊島記念資料館(旧図書館)へ。市街地を一通り歩いて、途中、尾西織物同業組合のレトロなビルを利用して生地店、テーラー、アトリエなどが入ったRe-TAiLに寄って、駅に戻ってきました。
一宮駅からバスで西に向かい、尾西エリアにも行ってみました。尾西(旧尾西市)方面には名鉄バスが1時間に4~5本走っていて結構便利です。
こちらは、のこぎり屋根の旧毛織物工場に残る織機や糸巻きの芯を使った蜘蛛の巣のような作品などがあります。旧織物工場の中には、アウトドアショップやカフェもあります。
尾西生涯学習センター 墨会館までもう一歩足を延ばそうか迷いましたが、行ってみて良かったです。
この建物は、愛知県内で唯一の丹下健三の建築作品です。外観は要塞のような造りで、コンクリート打ちっぱなしのホール棟と2階建ての事務所棟が中庭と車寄せを挟んで対峙しています。そのホール棟の中に陶器などを配置した作品と、織物の製造工程をイメージしたような作品が建物や中庭と一体となって展示されています。
事務所棟のほうは地域の公民館となっていて、中に入ったら管理人の方が親切に説明してくれました。
国の登録有形文化財になっているこの建物は、この地で繊維の染色整理加工業をしていた艶金興業の墨敏夫社長が、1950年代に当時東大助教授だった丹下健三氏に頼み込んで、本社事務所として建てたものだそうです。東隣にある大きな物流倉庫が建っているところにはかつて艶金興業の工場があったのだそうです。やがて会社は移転し、2010年に一宮市が建物を買い取って、丹下都市建築設計のアドバイスを受けながら耐震改修を施し、現在は尾西生涯学習センターと小信中島公民館として使っています。2階の役員室などは当時のまま保存されていて、定期的に見学会が開かれているとのこと。壁のない通し柱で建物全体を支える構造で大空間を創り出していることや、スチールのサッシでありながら障子のような採光を取り入れているなど、60年以上経っても輝きを失っていません。
10月10日までに、また時間を見つけて有松会場と常滑会場にも行ってみようと思います。
| 固定リンク
コメント