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2023/06/15

3期12年感を振り返って・・・公約、業績、大切にしてきたこと

6月定例議会の一般質問では、私が今年8月に任期を迎え退任予定である事を踏まえ、これまでの312年の行財政運営について、森議員と山下議員から質問がありました。
以下は、公約を達成できたか、実績と評価、心がけてきたことなどについての質問に対して、私がお答えした内容の抜粋です。

 
<政策集の中の公約で達成できたこと、できなかったこと、またその理由>

 まず、公約の中で達成できたことのうち、わかりやすいものについて、達成に至った経緯やエピソードを含めてお話ししたいと思います。
 海岸堤防の耐震化(液状化による沈下防止工事)は、現在、県が石浜地区で毎年着実に施工延長を伸ばしてくれています。
 退職者の地域デビューを後押しする「65歳の成人式」については、実施することができたため、達成と言えると思います。これは、定年まで会社と家との間を行き来しがちだった方たちに、地域を知っていただき、地域の集まりや活動に参加するきっかけをつくるユニークな事業でした。同年代が講演会や懇親会で一堂に会し、場は盛り上がりましたが、実行委員の負担感が大きかったことと、地域デビューの効果が明確でなかったため、5年継続したのちに廃止としました。
 地域で互いに支えあえるコミュニティの輪づくりについては、ごみ出し支援や、地域の縁側グリーン・ラソが実現しました。これらは、活動の自由度の高いNPOに運営をお願いできたことが皆さんの利用につながっていると思います。
 すべての子どもに目の届く公教育については、教員を目指す学生ボランティアによる夏休みの補充授業や学校活動の支援が、町内の各学校で行われるようになりました。この事業は、子ども、家庭、学校のみでなく、学生本人にとっても学びと成長の機会となっています。学生ボランティアを経て、教員になった町内の学生も多くいます。これは、片葩小学校を退任された校長先生のアイディアと情熱で実現しました。
 子どもが自由に遊べる冒険遊び場(プレーパーク)は、当初、三丁公園で立ち上げようと考えていましたが、プレーパークを運営するNPOに委託し、於大公園の斜面のある樹林地をつかって土日常設開催が実現しました。見守り役のプレーリーダーの活躍により、利用者も増えてとても人気の場所となっています。
 緒川駅のバリアフリー化は、見込み通り1日乗降者数が3,000人に達したため、国とJRと町の3者が負担しあって実現しました。
 再生可能エネルギーでは、ごみ捨て場だった生路5号地にメガソーラー発電所を設置することにより、平成28年度から令和4年度までの累積で、1,480万キロワット時の発電を行い、6,738トンの二酸化炭素を削減しました。
 バスロケーションシステムの導入は、地方創生交付金でイニシャルコストを賄うことができました。
 町長の退職金の不支給については、議会の賛成をいただき、条例を制定しました。
 税金・寄付金の使途を指定できる仕組みづくりについては、ふるさと納税の制度を利用して実現しています。
 常設型の住民投票条例は、議会の協力で実現しました。
 行政コストの表示については、各公共施設の入り口、工事現場などに表示板を設置しています。
 4期以上の多選自粛については、宣言したとおりに私が次の選挙に立候補しなければ、達成される予定です。

一方で、実現していないと考えられるものとしては、児童クラブとアフタースクールの統合があります。公共施設の再配置を前に、学校施設とそれ以外の施設や、そこで行われている活動のソフト的統合は、公共施設統合の試金石と考えられます。引き続き課題となると思います。
 みどり浜緑地については、当初、カヌーも楽しめる海浜親水公園を目指すとしましたが、これは実現できていません。県の港湾整備の計画も具体化されていません。現在は要望にとどめています。
 商工会員と一緒になって家業の継業のお手伝いをするについては、有効な策を打てていません。事業承継をテーマにすることの難しさを感じます。
 自治基本条例の制定については、自治を考えるワークショップなど、時間をかけて機運を高める取り組みはしていますが、拙速な条例制定はしないこととしています。

 
<実績とその評価>

 私の政策集「もっと良くなる東浦の未来」に掲げた「6つの改革」に沿ってお答えします。

 まず、「① 災害に強い安全なまちづくり」については、地震による液状化で海岸堤防が沈下する恐れがあったため、県に要望し、堤防基部の沈下防止工事に着手してもらいました。流域治水の考えを取り入れ、河川の上流部の水田に一旦水をためられるようにした「田んぼダム」の設置を進めました。たとえ水深10cm程度でも、面積があれば大きな調整能力が得られます。一般住宅についても、雨水貯留の助成制度を活用し、不要になった浄化槽や、タンクの利用で、流出抑制にご協力いただいています。ほかにも、消防・救急の空白地帯になっていた西部地区に半田消防署東浦西部出張所の新設、物流に有利な立地を活かした西部防災倉庫の新設と備蓄品の管理、感震ブレーカー設置費補助、木造住宅耐震改修補助、空き家対策などを行っています。
 防災・防犯のための体制づくりとしては、BCPの策定、タイムラインの活用、遠隔地の自治体との災害時相互応援協定、自主防災会への支援、地域への防犯カメラ設置費補助などを行いました。防災・防犯については地域の力が欠かせないと思います。
 公共施設の計画的な更新については、公共施設更新計画及び公共施設等総合管理計画を策定し、将来の建て替えのための新庁舎建設基金や公共施設等整備基金を蓄えているところです。しかし、現時点で東浦中学校や文化センターなどの具体的な立地計画ができていません。拙速に決めるべきものではありませんが、将来に向けたより具体的な議論が必要です。水泳授業の民間委託は、プールのメンテナンスを不要にするだけでなく、学校教育にとってもメリットが大きかったと思います。

 「② 安心して住めるまちづくり」については、特定健康診査の県内トップクラスの受診率など、本町が持っている健康・福祉の資源を生かし、糖尿病性腎症重症化予防プログラム、認知症予防、フレイル予防、いきいきマイレージなど健康寿命を延ばす取り組みをしています。また、高齢者の社会参加を促す施策や、地域福祉計画に基づく居場所づくり、医療・介護おだいちゃんネットワーク、多職種連携、制度のはざまで困難を抱える方を助けるコミュニティソーシャルワーカーによるアウトリーチ活動、地域の支え合いの輪づくりなど、高齢者が生きがいをもって自分らしく暮らせるまちづくりを進めました。そして、認知症にやさしいまちづくり条例が施行され、今は町内外の事業者の協力もいただき、骨折予防プロジェクトが進行中です。これらの中には、地域の皆さんと職員が知恵と思いと行動力を寄せ合って可能になったものがたくさんあります。
 子育て関連では、保育園に教育認定児も受け入れ、待機児童ゼロの継続、子育て世代包括支援センターの設置、ブックスタート、ひとり親家庭の受験料支援、妊婦医療費の無償化などを行っています。

 「③ 人が育つ元気なまちづくり」については、未来を担う子どもたちの教育環境の充実のため、指導主事や学校生活支援員を増員するとともに、子どもと親の相談員の配置などで、すべての子どもたちに目が行き届きやすくしました。学生ボランティアによる補充学習等を行い、子どもたちの理解やさらなる学習意欲の向上に取り組んできました。子どもたちには世界に通用する自立した個人であってほしいし、科学する、議論する、表現する人材であってほしいと願い、東浦町が培ってきた個別・個性化教育、主体的・対話的で深い学びを推進してきたつもりです。
 公園や公共施設では、レコード鑑賞、図書館を会場とした出会いの場の創出、このはな館コンサート、野外コンサート、公園でキャンプ「於大公園に泊まろう」など、ユニークな企画に取り組みました。
 名古屋大学との連携協定、フィールド実績のある研究者の招聘などで、意見交換や計画づくりに専門家の知見を活用しています。
 若者に行政や地域とのかかわりを持ってもらおうと、若者会議を開催し、若者の企画を実現することでまちの活性化につなげています。住民の皆さんのアイディアを奨励することにより、おだい市&東浦セミナーや於大まつり前夜祭、子ども食堂が実現しました。

 「④ 幸せのための豊かな環境づくり」としては、コンパクトなまちづくり計画、立地適正化計画に見られるように、高齢化・人口減少をにらみ、鉄道などの公共交通機関を活かした、コンパクトで歩いて暮らせるまちづくりを一貫して進めてきました。景観条例や景観計画をつくり、都市と自然と歴史が調和するよう、住民の皆さんの合意形成を図りながら美しいまちの景観づくりを進めてきました。また、自然環境学習の森などで里山の自然を保全し、自然を楽しむ活動も進めてきました。便利で交通アクセスに恵まれ、居心地がよく、美しい景観と自然にも恵まれていること、これらは必ず、将来の東浦町の大きな魅力となると信じています。

 「⑤ 財政改革と産業の振興」について、財政改革では、まずは4年の任期終了ごとに支払われる退職金を支払わない条例制定をしました。公用でも飲食は自費とする、一人で電車で行けるところは公用車を使わないなど、町長自らが率先して過剰な支出を省くことが大切です。また、住民の皆さんに参加をいただき、事業仕分けや補助金改革を行いました。これは、職員の大きな意識改革になったと共に、住民の皆さんにも財政状況やお金の使い道を考えていただくきっかけになりました。事業仕分け終了後は、行政評価の外部評価を行いました。予算編成では、段階的に行っていた総務部長査定、町長裁定を一体化し、実施計画ヒアリングを統合することで、財政部門と企画部門が一緒になって事業仕分け的に目的や効果を踏まえ事業の優先順位を徹底的に議論しています。
 財源を生み出す取り組みとしては、税収以外にも自販機設置の入札、広告収入、地方債の繰上償還、長期債券運用、未利用地の賃貸・売却、ふるさと納税、新電力からの電力購入、照明のLED化、ネーミングライツなど、新たな財源を生み出しました。
 その結果、町債残高は平成23年度末の約205億円から、令和4年度末には約136億円となり、約69億円減額することができました。土地開発基金を除く基金残高は、平成23年度末の約28億円から令和4年度末には約68億円となり、約40億円増額することができました。これらの基金の中には、将来の公共施設の更新のために積み立てているものもあります。
 産業の振興は、モノやサービスや知的財産の産出のみならず、税収増、働く場の創生、まちの賑わいにもつながります。優良企業の誘致が大切なのと同時に、町内の企業や個人が産業を興し、発展させ、次世代に継承していくことが重要です。そのためには安易な補助金や町内事業者の優遇ではなく、必要な時期に必要な企業活動を後押しして競争力のある事業を育てていく必要があると考えます。
 企業誘致としては、石浜工業団地の工場立地と東浦知多インターチェンジ近くの工場進出に力を入れました。また、企業再投資促進補助金を使った町内のソフトウェア産業や金属加工業の拡張促進、中小企業活性化補助金の創設による中小企業の組織強化にも取り組みました。

 「⑥ 本当の住民自治への変革」については、私は一貫して住民参加を町政の柱にすえてきました。地方自治、住民自治の主役は、主権者である住民の皆さんです。住民の皆さんが、みんなでお金を出し合って、役所をつくり、公務員を雇い、行政を運営しているのが基本の姿です。そのため、情報公開と住民参加の機会づくりを進め、会議録や予算編成過程などの行政情報を、ホームページなどを活用して、公表するようにしました。公共事業や行政サービスのコスト表示も現場で行っています。
 住民参加では、審議会等の会議を公開し、原則すべての会議の委員に公募枠を設け、住民の皆さんに参加していただきました。また、重要な政策テーマごとにワークショップなどを行うとともに、各地域において住民懇談会を開催し、住民の皆さんの意見を取り入れるよう努めました。まちの将来を左右する重大な意思決定に、住民の皆さんが直接参加できる常設型の住民投票条例も議会の協力でつくることができました。
 職員のレベルアップについては、職員に求められる能力として、事業の背景や効果を分析し、エビデンスに基づいて論理思考のできる職員、前例踏襲や指示待ちではなく自ら知恵を絞ぼれる職員、住民の皆さんと共に考え、住民の皆さんにわかる言葉で説明できる職員を、事業仕分けや業務改善制度、職員研修、納得性、透明性のある人事評価制度などを通じて育成に努めてきました。

 
<政策実現で心がけたこと、財政運営で大切なこと>

 まず、最新の情報やアイディアを得ることが大切なので、自らフットワーク軽く、地域や行政以外が企画するイベントなどに出て、また、県内外で行われる講演会や勉強会など様々な場面で新たな情報を仕入れることを心がけました。
 1期目、2期目はトップダウンの政策が多かったと思います。トップダウンばかりでは指示待ちになってしまいます。3期目は職員の自主性に任せるようにしました。
 また、ワークショップや意見交換会を丁寧にやることは、皆さんから前向きなアイディアをいただいたり、コンセンサスを得たりするのに欠かせないと思います。家庭系可燃ごみ処理有料化の際は、町内各所で86回説明会を行い、質問やご意見をいただきました。自分もこのうち都合のついた59回は出席して対話をさせていただきました。また、各種団体などから講話を頼まれれば必ず行くようにしています。5万人全員に会うことはできませんが、会って対話することの大切さを強く感じています。

 財政については、同じ政策をするにしても、果たしてこのやり方で本当に効果があるか、手間やコストがどのくらいかかるか、持続性はあるかなど実施前、実施後に十分吟味する必要があります。手段を目的化せずに、狙った効果を得るために、最小コストのやり方を考える必要があります。その際は、複数の部署が連携した方が良いこともあるし、民間との連携や民間に任せることも選択肢に入れる必要があると思います。
 経常経費の支出を要する事業については、将来にわたって継続的な負担が発生すること、投資的な事業については、施設の運営やメンテナンスを考慮する必要があります。
 また、財源として、有利な補助金の活用や相応の受益者負担を求めることも考える必要があります。たとえば、民間保育園の運営に関しては、国の補助制度があるので、保育の民営化は行っていくべきと考えます。バスロケーションシステムの導入に際しては、地方創生交付金で100%カバーすることができました。
 事業実施の時期についても、国や県の政策的な趨勢によるタイミングがあるので、各分野の政策的なトレンドを見ておく必要があります。たまたま幸運に恵まれた例としては、学校給食センター建設時に、投資的事業に対する国の臨時交付金が創設され、建設費が算定根拠となり多額の補助金がもらえたケースがありました。
 いずれにしても、財源が限られる中、あれもこれも事業を行うことはできないので、優先順位に基づき事業を選択し、やりたい政策、すべき政策に資源を集中し、町としての政策に特徴を持たせることが他市との差別化を図るうえで大切だと思います。

 
<これからの東浦町に必要な政策、次期町長に望むこと>

 私が、公約もせず手もつけなかったことで、これから大切になると思うことは、海外との関係作りです。形式だけのにわか外交では業務の負担が増えるだけなのでこの分野では特に何もしていませんが、これからもっと実質的な意味で様々な分野で海外との関係は深まることと思います。市民レベル、事業者レベル、行政の交流のみならず、協力関係や事業を行うことも考えられますし、海外の制度や仕組みを参考にすることも多くなると思います。日本がアジアの国々を上から目線で眺める時代は終わりました。欧米に限らず海外から学ぶことは多いと思います。
 また、町内の外国人も含めた多様な地域の人間関係も考慮した、コミュニティ、防災・防犯、地域の福祉のありかたも今以上に課題となると思います。
 少子化対策、人口減少対策としての子育て支援が今話題になっていますが、私は子育て関連で財政支出をしても出生率にはほとんど効果がないと思っています。また、自治体間で子育て支援競争をしたところで、仮に社会増減があったとしても、圏域内の人口は増えません。私は、子ども支援は子どもたちのため、子育て支援は女性を含む子育ての当事者がより活躍できるためのものと思っています。
 難しいことですが、一時の流行に惑わされずに、事業の目的や効果を十分に考えて町の運営にあたっていただきたいと望んでいます。

 
<4月前の辞任で、町議・町長の同時選挙を考えなかったか>

 統一地方選挙前に辞任すれば、町議会議員選挙と同時になり、選挙費用を節約できると考えなかったわけではありません。
 しかしながら、当選時に与えられた4年の任期を全うすべきという考えもあります。暫定予算でもないフルセットの当初予算をつくっておいて、新年度の執行に全く関わらずにすぐ辞めるのは道義としてどうかとも思います。また、私が突然辞任をしたときに、次期町長選挙の立候補者がにわかに現れるかは心配になるところです。それから、確かに統一地方選挙が元来の形ではありますが、町長選と町議選が同時に行われる選挙が、はたして選挙としてわかりやすいか、二元代表制であることから考えて、二つの選挙が政治的に絡み合ってしまうのはどうか、などと感じることもあります。そんなことから、任期途中の辞任はしないこととしました。
 

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