四万温泉きまま旅 その2
<通りすがりに立ち寄った草津ならではの施設>
四万温泉に行く途中、草津温泉、西ノ河原の大露天風呂に入ってきた。
草津から長野原へは通常、草津道路を下るのだが、西ノ河原や湯畑から流れ出る湯川沿いに下りてみたら、今まで気づかなかった施設に偶然立ち寄ることができた。
大滝乃湯のすぐ下流には、国土交通省の草津中和工場がある。ここでは強酸性の湯川の水に石灰ミルクを加えてpH値を上げる処理をしている。
このまま酸性水が流れ下って、下流の橋やダムなどのコンクリート構造物や農業用水に悪影響を及ぼすのを防ぐためだそうだ。類似の施設は秋田県の玉川温泉にもある。
川を流れた温泉水と石灰の中和生成物は下流にある品木ダムに溜められて、定期的にダムを浚渫しているのだそうだ。温泉成分を含む品木ダムの湖面は黄緑色を呈している。
草津の市街地のはずれ、品木ダムの手前には、ハンセン病療養所として昭和7年に開設された国立療養所栗生楽泉園がある。入口近くに「重監房資料館」と書かれた看板があったので行ってみた。重監房とは、強制に従わない患者の懲罰に使われた人権を無視した施設だ。暖房もない山の中に造られた粗末な独房に、昭和13年から昭和22年の間に93名のハンセン病患者が収監され、そのうち23名が亡くなったと言われている。さぞや無念。全くの不条理を感じる。
<四万温泉は草津の仕上げ湯>
pH2の草津温泉は殺菌力が強く、古来から皮膚病に効くと言われてきた。それだけに肌のダメージを和らげるために、草津湯治のあとには仕上げ湯(治し湯)と呼ばれる温泉地に立ち寄るのがセットになっていた。その代表格が四万温泉、沢渡温泉、川原湯温泉。ひなびた沢渡温泉の共同浴場にも行ってきた。
入口がモダンな沢渡温泉の共同浴場は、温泉街のジェットコースターのような急坂の途中にある。ほんのり硫黄の香りがする柔らかい湯だ。独り占めすると心地よいサイズの石張りの湯船が二つあって、掛け流しの湯が湯ノ花と一緒に底から抜けていくように造られている。
旧川原湯温泉は、建設の是非を巡って大きく揺れた八ッ場ダムが2020年に完成したためダム湖に沈んでしまった。草津温泉からの支流が流れ込むダム湖は青緑色の水を湛えている。
八ッ場ダムは利根川の支流の吾妻川に建設された堤高116m、堤頂長290.8mの重力式ダム。有効貯水量は9,000万㎥。目的は洪水調節、流況改善、新規都市用水供給、発電。ダム天端中央部にはエレベーターがあってダムの直下まで降りることができる。この日は利水放流用のジェットフローゲートから放流中だった。
こちらは、近くにある不動の滝。全体は三段の滝になっていて、見えているのは最下段。タムで本来の滝壺が水没、滝がダム湖に直接落ちるようになった。
<温泉と一口に言っても泉質はいろいろ>
さて、帰り道は温泉三昧。
草津は行きに入ったのでパス。かわりに万座温泉に寄って硫黄濃度日本一といわれる乳白色の温泉に浸かって、次に、渋峠を越えてすぐのところにある長野県の熊の湯温泉の珍しい翡翠色の湯に入った。
志賀高原を降りたら車の中が硫黄臭くて、かつとても眠くなってきたので、長野インター近くの加賀井温泉に立ち寄った。
ここは昔は旅館だったが今は日帰り入浴のみの温泉。炭酸ガス濃度日本一と言われるサイダーのようなぬるめの湯だ。第一鉄イオン(Fe2+)が含まれていて湧きたての内湯は透明(淡緑)なのだが、そのあと空気に触れて酸化された露天風呂は第二鉄(Fe3+)の赤茶色ドブドブの湯になる。もういちど内湯に入り直すと気持ちよい。
硫黄のニオイもちょっと弱まり?眠気も覚めて家路についた。
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