奥鬼怒の旅 その2
🤞もう一つの黒部ダム
黒部ダムと言えば関西電力の黒部第四(くろよん)ダムが浮かぶと思いますが、これが鬼怒川上流にある元祖黒部ダムです。
黒部ダムは、鬼怒川水力電気が明治44年(1911年)に着工し大正元年(1912年)に完成した日本最古の発電用重力式コンクリートダム。重力式だがアーチ状に湾曲しているのが特徴で、建設当時は高さ33.9m、堤頂長150m、堤体表面に石張りが施されていました。
当時としては日本最大級だった下滝発電所の取水用ダムとして造られました。下滝発電所は、黒部ダムから長さ10km以上に及ぶトンネルで鬼怒川温泉の下流まで導水し、得られた300mもの落差を使って発電していました。
その後、東京電力に受け継がれ、鬼怒川最上流に川俣ダムが完成したのを契機に鬼怒川発電所と改称、出力増強が図られました。鬼怒川発電所は揚水式発電所を除き、栃木県内では最大、東京電力管内では信濃川発電所に次ぐ127,000kWの出力を誇っています。
黒部ダムは、老朽化に伴い平成元年(1989年)に洪水吐きゲートを22門から8門に、堤高を約5m下げるなど、大規模な改修を行っています。
🤞鬼怒川上流ダム群めぐり
鬼怒川の上流には、支流の男鹿川、湯西川を含めて国土交通省が管理する4つの100m超級のダムが集まっています。
一番古いのが男鹿川にある五十里ダム。戦後工事が再開された洪水調節と発電などを目的とした多目的ダムで、堤高112m、堤頂長261.8mの重力式ダムは1956年の完成当時日本一の高さでした。
鬼怒川の最も上流にあるのが1966年に完成した川俣ダム。洪水調節、発電、農業用水確保などを目的とした多目的ダム。瀬戸合峡と呼ばれる両岸から絶壁が迫るところに造られたアーチ式ダムで、堤高117mに対して堤頂長131mと、アーチ式コンクリートダムとしては日本一の縦長なのが特徴。
五十里ダムと並んで鬼怒川と男鹿川の合流点のすぐ上流の鬼怒川本流に1983年に建設されたのが川治ダム。堤高140m、堤頂長320mの大型アーチ式ダムで、洪水調節、かんがい、上水道、工業用水などを目的とした多目的ダム。アーチ式ダムとしては、富山県の黒部(黒四)ダム、広島県の温井ダム、長野県の奈川渡ダムに次いで日本で4番目の高さです。
地図を見るとわかるように五十里ダム湖と川治ダム湖はすぐ隣り合っているため、両湖をトンネルで結んで両ダム間で水の融通ができるようになっています。
いちばん新しいのが2012年に五十里ダムのすぐ上流の湯西川に完成した湯西川ダム。堤高119m、堤頂長320mの重力式ダムで、洪水調節、かんがい、上水道、工業用水などを目的とした多目的ダムです。ダム湖の上流では水没林を見ることができます。
どのダムも、これからの雨期に備えて水位を下げていました。
鬼怒川には、国土交通省の多目的ダムの他に東京電力や栃木県企業局の発電用のダムや堰が十数基あります。
ダムはそれぞれ個性的な顔をしてますね。
私はどちらかというと古いダムが好き。いい顔してます。由緒あるダム、特に発電用のダムは水量豊富な川の中流部にあったりして、堂々としているし表情も豊か。新しいダムは無表情というかロボット顔で貧相な感じでしょうか。
(※必ずしも鬼怒川上流ダム群のことを言ってるわけではありません。)
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