2009/05/06

それでもボクはやってない

周防正行監督の「それでもボクはやってない」を見た。痴漢の冤罪を扱った2007年の話題作だ。何の罪もない人間がいつの間にか被疑者、容疑者、被告人、犯人にされてしまう。自分もすっかり主人公になった気で見てしまった。

主人公の設定は多少異なるが、この映画のネタとなった原作「お父さんはやってない」も読んでみた。駅で突然痴漢呼ばわりされ、家族と連絡も取れないまま鉄格子の中へ。自白・示談を拒否して、起訴。職を失い、それでも友人や弁護士、支援団体に支えられながら、一審、控訴審で検察と闘い、ついに逆転無罪を勝ち取った矢田部さん家族の手記だ。
取り調べ、勾留、証拠集め、法廷の様子が克明に描かれている。差し入れの際に、容疑者の洗濯物などの所持品を家族が持って帰ることを「宅下げ」というのだそうだ。お上が上で、市民(容疑者)は下、普通に暮らしていると気づかないが、そこには歴然とした権力構造がある。

自分だったら自白の誘惑に負けず、最後まで気丈に裁判を闘い抜くことができるだろうか。
容疑者となった家族や友人を助けるために、何度も何度も、裁判に勝つまで自分の時間と労力を割くことができるだろうか。
痴漢被害者の側から見るとどうなるのだろうか、無実の罪を着せられた側とはまたかなり視点が違ってくるのだろうか。
そんなことも感じながら、一気に読んでしまった。
そもそも不運な事件に遭わなければ経験しなくてよかった失われた2年間。それでも、最後は静かな感動が湧き上がってくる一冊だ。

次々に発生する事件を書類で判断、ベルトコンベアーのように処理していく司法システム。裁判官も時間がないなかで、同時に200件もの事件を抱えて、その処理能力を評価される。迅速に処理したいし、検察、警察と対立しても得することは何もない。そんな背景の中での有罪率99.86%。一度も無罪判決を出したことがない裁判官がたくさんいるらしい。
それで思い浮かんだのは、一度も行政提案に対して反対したことのない地方議員。首長の方針に従い大勢の職員がチェックを重ねたであろう行政提案に、わざわざ自分で調査し反対理由(さらには対案)をつけて反対するくらいなら、何もせず大勢に身を任せて賛成していたほうがどれだけ楽なことか。

著書の中で妻の矢田部あつ子さんは言っている。「政治、司法に無知であることは恐ろしい」「政治や世の中の動きに目を凝らし、いい加減な政治を見過ごさないことが、子どもたちの将来を守っていくことにつながる」とは、当事者になってみて初めて言える言葉だと思う。

もうすぐ裁判員制度が始まる。確かに司法への(究極の)市民参加だが、人を人が裁くことの難しさは計り知れない。
まっとうな市民感覚が裁判に反映されるのならよいが、それこそ、その場限りのムードの中で、感情的な、非合理的判断がなされることはあってはならないと思う。
Soredemobokuha_4 Otousanhayattenai_3

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2008/10/02

おすすめの1冊・・・こんな公園がほしい ~住民がつくる公共空間~

「こんな公園がほしい ~住民がつくる公共空間~」(小野佐和子著、築地書館)を読んだ。

本来住民のためのものであるはずの公園だが、住民不在の設計がなされ、住民不在の運営がなされてきた。著者の言うとおり、まさに「公園はさわれない。見るだけ」だ。
決して新しい本ではない(1997年発行)が、地域住民が自分たちの創意工夫を持ち寄ってみんなの公共空間を作り上げていく姿が新鮮だ。計画から運営まで、住民参加の公園づくりの実践例がいくつか紹介されている。Book20081002konnakouen Cci00031konnakouen

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008/08/21

The Last Lecture

7月に亡くなった Randy Pausch の The Last Lecture (最後の授業)が話題になっている。

You Tube で母校のカーネギー・メロン大学で行った授業の様子を見ることができる。この中で、自分がどうやって子どものころの夢をかなえたか、いかに自分の人生は満足なものだったのか、ユーモアを交えてレクチャーしている。余命3カ月と診断された43歳のコンピュータサイエンスの世界的権威が贈る最後の授業。死を目前にしても彼は、冷静で、客観的で、人生を楽しんでいる。講義内容に妻と3人の子どもへの思いを付け加えてまとめた著書が、全米でベストセラーになり日本でも訳本が出ている。

 講義の様子(You Tube)http://jp.youtube.com/watch?v=nrFMRuB2lbA
 邦訳著書紹介http://www.randomhouse-kodansha.co.jp/last_lecture/index.php
 その他http://www.thelastlecture.com/
 http://www.cmu.edu/randyslecture/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007/06/19

豪快な号外「30秒で世界を変えちゃう新聞」

「笑い楽しみながら 30秒で世界を変えちゃう新聞」というタイトルの「豪快な号外」がでています。

発行部数は世界最大といわれる読売新聞朝刊のそれをはるかに越える3000万部。地球温暖化を止めるために、有志の募金を使ってボランティアで発行しているのだそうです。まずは自分の周り3mを変えてみようと題して身近な地球温暖化対策が紹介されています。「収穫後に切り倒されるバナナの茎で地球上の紙をすべてまかなえる」とは知りませんでした。
発展途上国の経済成長にともない、エネルギーや資源の消費と排出はどんどん増えていきます。地球の環境を守るためには私たちはもっとslowな生活を送らざるを得ないと思います。

30秒で世界を変えちゃう新聞はhttp://teamgogo.s271.xrea.com/gogo/gogo.htmlからダウンロード可能です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)